映画劇場鑑賞レビュー「Fukushima 50」《投稿者:高上雄太》
ブンカモノメンバーであり、プライベートで自主制作映画を監督している
高上雄太(タカウエユウタ)です!
週に1回の劇場映画鑑賞を通して、
今季話題の映画を皆様にオススメしていこうという内容!
月に1~2回ほどユル~く更新しているので、
鑑賞映画を外したくないと思っているあなた!必見ですよ!
では、今回紹介する映画はこちら、
「Fukushima50」
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故。
原子炉の冷却装置が動かず、炉心溶融(メルトダウン)によって起こる国家的な大惨事を防ごうと、
現場に留まり奮闘し続けた作業員たちの知られざる姿を描いたヒューマンドラマ。
空母いぶきや沈まぬ太陽、
古いものだと織田裕二さん主演のアクション映画ホワイトアウトで有名な監督、若松節朗さんの最新作。
梅田ブルク7のドルビーシネマにて鑑賞。
個人的に、空母いぶきが期待に反して中途半端な出来だったことに落胆していたため、
公開直後の賛否両論のレビューから、かなり不安になっていた作品。
しかし、その不安は杞憂に終わりました。
3.11 に触れること自体、タブーとされてきた日本国内から、
このような重厚かつエンタメ要素をバランス良くおさえて真っ当に描いた作品は珍しいと思います。
不意を突くようにベタな BGM や回想、心の声が挟まったり、
アメリカ人役者たちの演技の嘘くささが少し目立ちましたが、
そんな物を帳消しにして、心に訴えかけるモノ、
それは、佐藤浩市さん・渡辺謙さん・火野正平さん・篠井英介さん・佐野史郎さんその他、
新旧豪華日本人キャストによる血の通った迫真の演技にあります。
一刻を争い、常に人命を背負った判断を委ねられる彼らには、
その道のプロフェッショナルという立場以上に、人間としての立ち振る舞いを問われたり、
自分の弱さから出る本音や後ろめたさが見え隠れします。
それを、単にセリフや身振り手振りによる「演技」ではなく、
もはや「その人」そのものに感じられる域には驚きました。
映像内では雪が降っているのに、彼らが魅せる気持ちと気持ちのぶつかり合いは、
こちらも熱がこもって汗が滲み出るような感覚になります。
私の仕事柄、最近東北大震災の資料映像を改めて見返す機会がありましたが、
やはりショッキングで言葉を失ってしまいます。
これ程の大惨事が僅か9年程前に起っていたのに、近代史として殆ど文面上で語られるようになった今、
この作品がコロナによる世界危機の中、世に公開されたのはとても大きな意味があると思います。
改めて、一歩立ち止まって彼らの勇気ある行動をこの作品から感じるべきだと思います。
そこには、己の保身やプライドなんて物は通用しません。
年齢関係なく身体張った彼らから学ばないといけないことが沢山あると、
24 歳、世の中を何も知らないちんちくりんな社会人である僕なりに思った次第です。
因みに、コロナの影響からか劇場で一番大きなドルビーシネマのスクリーンを、
独り占め出来たのは人生初!嬉しいような勿体ないようなちょっと複雑な気持ち...
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